男性育休教員の日常

某公立高校に勤務する育休取得中の教員の日常について記録するブログ

休校になってから半月経った今思うこと

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2月29日(金)、突然の首相からの全国一斉休校要請が学校現場に大混乱を招いたとされている。

 

私が勤務する高校でも緊急の対応を迫られ、月曜日からバタバタとした日々が続いたけど、最近ようやく落ち着いてきた。

 

 

休校を聞いて思ったこと

私個人的には、休校とは安倍首相にしては大きな決断をしたもんだと、(いつも上から目線で)感心したことを覚えている。それには2つ理由がある。

 

1つ目、今どきの学習は学校だけで完結するものではないのだから、全員が必ずしも学校に来て、一斉に学習する必要がないと普段から思っていたから。こういう危機にこそ、それを乗り越えるだけの発展が起こるのではないか。平時にそのような起こるとはなかなか思えない。

 

2つ目、私の学校では、期末考査が終わってからは午前中授業が続き、あまり授業らしい授業がない。時間を持て余した子供たちのお守りをしないといけないな〜と思っていた矢先のことだったので、ラッキーと思ったのも事実だった。

 

ただし、まだまだ若輩者の私には理解できていなかった問題がたくさんあったようだ。

 

今では、休校判断が良かったのか、よくわからなくなってきている。

 

やっぱり、日本の教育はまだまだ問題山積

2つ目は本音が漏れただけなので、今日は1つ目の2020の教育問題について。

 

ただでさえ、家庭の問題、地域の問題、社会の問題を学校に押しつけ続けられていたのだから、これを機に社会全体で子供達を育てましょうよ。

 

そして、政府が強力に押し進めようとして居るICT教育が、今こそ力を発揮できるではないか!しかも、普段は有料の各種コンテンツが各種無料で開放されて居るではないか。これは、やはり社会が教育をまだまだ見捨てていなかったということかな。

 

www.learning-innovation.go.jp

 

これで、4月から休校が続いても、授業ができる!

(夏休みや休日を削られないで済む!笑)

 

 

と思ったのだが、そうは問屋が下さない。

 

まず、地域の問題。

 

大阪府でも、学区が府内全域に広がり、地元の子供たちが必ずしも地元の高校に進学するわけではない。

 

高校の序列化が一気に進み、勉強が得意な子はどこでも選び放題である反面、勉強が苦手な子が進学できる高校は限られているので、目の前に高校があるのに1時間もかけて電車とバスとを乗り継いで、行きたくもない学校に通うことになる。

 

生徒にとっても不本意な進学であるし、地域の住民にとってもよそ者のヤンチャな高校生が地t閣で騒いでいるというだけで、高校と関わろうとは決して思わない。

 

こうして、高校は地域で孤立し、ただただ苦情を言われるだけの地域から煙たがられる存在になる。

 

学区が広がれば、どこにでも行ける。一見、素晴らしいシステムのように聞こえるが、それは強者の理論であり、弱者にとっては辛いだけだ。そして新自由主義が蔓延る現在では、それも勉強してこなかったその生徒が悪いとよく言われるが、ことはそんなに単純ではない。

 

今の高校に異動して来て1年が経とうとして居るが、厳しいバックグラウンドを抱えている生徒はとても多い。それを見ると、どうしても自己責任だとは言えなくなってしまう。

 

あれもこれも、教育に経済の原理を持ち込もうとする政治の圧力が原因だろうと思っているが、どうなのかはまだまだ勉強が足りないようだ。

 

ICTについては、別の問題が。何しろ学校のアナログ文化は半端ない。

 

今でも月に一回、全職員が集結して数十枚におよぶ会議資料の山を前にしながら報告を受ける会議がある。それだけでなく、〇〇委員会、〇〇会議、〇〇プロジェクトなど、放課後はスケジュールがみっちり。生徒の顔を見る隙もない。

 

報告だけを聞くために、全員拘束する必要があるのか。(成績や進級に関する重要案件は別にして...)

 

会議が終わったすぐに廃棄されるプリントは必要なのか。

 

若手の職員は、iPadを使って資料をダウンロードする方法など提案するのだが、なかなか聞く耳を持ってもらえない。

 

そんな職員が多数を占めるなか、学習は教室で行われるべきだ、という固定観念を崩すのは容易ではない。

 

なんとかしたいなと思うのだが、自分にはまだ周りを説得できるだけの技術も人脈もないので、日々悶々としている。

 

せっかくMacbook買ったんだし、いろいろ調べてみよ〜というところで、今日は話が脇道に逸れて長くなりすぎたので、この辺で。