男性育休教員の日常

某公立高校に勤務する育休取得中の教員の日常について記録するブログ

育休取得までの道のり(後半)

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最終的には、9〜12月(2学期の間)の4ヶ月育休を取得することになったのですが、そこに至るまでの道のりについて、少し振り返ってみようと思います。後半戦です。

 

④2021年4月(妻妊娠6ヶ月)

いよいよ新学期がスタート。久々に担任を外れたので、少し気持ちが楽でした。

この時点で、同じ部署の主任の先生だけには育休取得について相談済みですが、それ以外の先生にはまだ話をできていません。

 

最初にやることは、部署内での役割分担。教員は授業だけやっていればOKなんてことはありません、学校生活に関する凡ゆる雑務で日々忙殺されます。

 

生徒との面談や授業はもちろんですが、奨学金の申請手続きや地域との会合、校内の消毒、地域からのクレーム対応、下校指導、諸費用の徴収まですべて教員の仕事です。教員でないとできない仕事の多いこと...

 

例年なら消極的な私ですが、今年は育休で不在時の分も人一倍働いて周囲の信頼を得ていないといけないなと思い、任された仕事はすべて断らずに引き受けることにしました。

 

幸いにも、私の部署は1学期が繁忙期で、不在にする2学期は比較的余裕のある期間になるので、育休までにできることはたくさんありました。

 

育休は権利であり取得することに問題はないのは頭ではわかっているのですが、周囲の同僚の理解がないと人間関係やひいては今後育休を取得しようと思う人に悪い印象を残してしまいます。

 

人よりも倍動いてやろうという気持ちで、新学期をスタートさせました。

 

⑤2021年5月(妻妊娠7ヶ月)

年度当初のバタバタがひと段落した頃、校長との面談がありました。

勤務校では、人事異動により新年度から新しい校長が着任しています。

前任から引き継ぎはされているはずですが、もう一度自分の口から事情を説明し、協力してもらえるように関係を築きます。

 

管理職の先生に一番お願いしないといけないのは、代わりの先生を見つけてもらうことです。私の場合は、2学期だけという中途半端な時期にも関わらず、ピンチヒッターを見つけてもらわなければなりません。

 

教科、通勤距離がマッチするだけでなく、そもそも時間に余裕があり、4ヶ月だけ働いてくれる都合のいい人なんているのか。

 

しかも問題は、正式に新しい先生と契約できるのは、妻が出産後に育休届を出した後、つまり8月中旬にならないとダメだということです。(もちろん、目ぼしい人材を探しておくことは可能ですが。)

 

半年以上前から相談し、休む教員がいるとわかっているのに直前まで代わりの先生を探すことができないことに疑問を感じざるを得ません。

 

民間ではどうなのでしょうか。代わりの人材を探すことができるだけでも公務員は恵まれているのでしょうか。

 

政府は育休取得を促進するため、事業所に育休取得の希望を聞く義務を設けましたが、

 

www3.nhk.or.jp

そもそも人材不足が深刻な業種はたくさんあり、そこに金銭的な問題も絡むと育休を積極的にとろうと思う人がそう簡単に増えるとは思えません。

 

⑥2021年8月(妻妊娠10ヶ月)

1学期が無事終わり、夏休みに入りました。

 

正産期を迎え、出産準備が本格化。

1学期最後の職員会議で私の育休取得が報告され、周知の事実に。

 

いろいろな先生にご挨拶をしているときも、温かいお言葉をいただくことばかりで、本当にいい職場に恵まれたなと思いました。

 

でも、代わりの先生はいまだに見つかっていません。代わりの先生が来てくれることを願いつつ、時間がある時に引き継ぎの準備と机の整理をしました。

 

普段、自分がどのようなことを仕事をしているのか、振り返ることはなかなかないので、自分が担当している仕事をリストアップして驚きました。

 

細かく分けると100ほどの仕事を担当していました。

 

授業のこと、成績処理のこと、部活動のこと、部署のこと、書き出して簡単に説明するだけでも1日かかりそうでした。

 

先生は何でも屋でないとやっていけないと改めて実感しました。

 

あとは、無事子供が産まれ、育休届を出すのみです。

 

無事に産まれてくることを願いながら。